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マグネシウムは代謝・巡りを整えるミネラル

マグネシウムとは

マグネシウムイメージ

ミネラルの一つであるマグネシウムは豆・海藻・ナッツをはじめ、精製・加工されていない食材に万遍なく含まれているミネラルです。通常の食事(特に和食中心の食事)をしている健康な方の場合は、ほとんど不足することがありません。

マグネシウムはお酒をよく飲む方、肉・乳製品を多く摂る・カルシウムサプリを飲まれている方、慢性的な下剤体質・利尿薬を服用している方などに不足しやすいとされています。ハードな運動や甘いもの・コーヒー・紅茶の摂取過多も不足原因となります。


1日推奨摂取量
成人男性:320~370mg
成人女性:270~310mg・妊娠中は+40mg
1日耐容上限量
成人男性:350mg
成人女性:350mg
※食品摂取を除くサプリメント摂取の場合のみの基準値
不足による症状
慢性疲労、筋肉の痙攣・震え、骨粗鬆症、高血圧、不整脈、心疾患、神経疾患、精神疾患(イライラ・鬱病・集中力低下)など
過剰摂取の症状
通常の食品摂取は軟便・下痢を起こす程度で深刻な問題はありません。サプリメントなどによる大量摂取は高マグネシウム血症(悪化すると昏睡・心臓麻痺など)を起こす可能性があるため注意。

マグネシウムの代表的な働き

マグネシウムは様々な働きを持つミネラルとして紹介されますが、マグネシウム単体で働くというよりも約300種類の酵素の働きを助ける“補酵素”としての機能が大きいと考えられます。様々な酵素の働きをサポートする栄養素(補酵素)ですから、タンパク質合成、エネルギー代謝、血流・体温・筋肉収縮・血糖値の調整、神経の伝達など様々な活動に必要とされています。
そのため不足は慢性疲労感、イライラなどの情緒不安定、骨粗鬆症から高血圧・心疾患・筋肉痙攣などありとあらゆる不調の原因となると考えられています。

またマグネシウムはカルシウムと拮抗作用があり、互いのバランスを取りながら働いています。カルシウムはサプリメントや食品に添加されている存在ですが、カルシウムだけを多く摂取するとマグネシウムの吸収が阻害される・2つバランスが崩れることで心疾患などのリスクが高まる可能性も示唆されています。カルシウムとマグネシウムがバランスよく機能することで心臓や血管の健康を守る・丈夫な骨や歯の維持などに繋がります。

マグネシウムと冷え性の関係

マグネシウムは代謝や血液循環をスムーズに行う上で欠かせない栄養素です。補酵素としてビタミンB群と共に栄養素(糖質・脂質)からエネルギーを作り出す働きがありますから、それに伴って熱生成量をアップさせ、基礎体温の向上・低下予防に繋がると考えられます。神経伝達をスムーズに行うのを助ける働きもありますので、体温調節機能の正常化にも期待できます

またマグネシウムは電解質(イオン)の構成成分の一つとして体液のバランスを維持するという働きもあり、細胞の内外の水分量調整を調節することでむくみの緩和など水分代謝にも関係しています。血液と共に全身に巡る熱はむくんでいる=余分な水分が多いと水分に奪われてしまいますから、むくみが緩和されることで体温低下予防・熱供給の効率向上にも役立つと言えるでしょう。

加えて血中のカルシウムとバランスを取り合うことで筋肉収縮をスムーズにする・血管の収縮・弛緩のバランスを取るなどの働きがあります。この働きから蔵脈効果や心疾患の予防に役立つと言われていますが、その根底には“血流の正常化”があります。血流が良くなることで熱を滞り無く全身に届けてくれるようになりますから、末端冷え性の改善にも役立ちます。
血液の生成にも関係していますから、貧血の緩和には鉄分だけではなくマグネシウムや亜鉛などのミネラルをバランスよく摂取するようにすると良いでしょう。

マグネシウムと合わせて摂りたい栄養素

牛乳イメージ

カルシウム
マグネシウムとカルシウムはお互いにバランスを取り合っています。どちらか一方だけを摂り過ぎると相手の吸収を妨げる可能性もありますが、理想的とされる摂取比率であるカルシウム:マグネシウム=2:1の比率で摂取すると相乗的に吸収効率が高まるとされています。


マグネシウムを中心にご紹介すると「カルシウムは良くない」と感じてしまうかもしれませんが、どちらが善玉・悪玉というわけではありませんのでバランスよく補給することを心がけてください。


クエン酸・ビタミンC
マグネシウムに関わらず鉄分や亜鉛などにも言えることですが、クエン酸やビタミンCにはミネラルの吸収率を高める働きがあります。これはキレート作用と呼ばれる、ミネラルを挟みこむようにして吸収しやすい状態へと変化させる働きがあるためです。

ビタミンB6
ビタミンB6もマグネシウムと同様に様々な酵素の働きを支える栄養素です。そのためマグネシウムはビタミンB6と共に働くことが多いですし、マグネシウムの代謝を促進する働きもあるため細胞内へのマグネシウム吸収を高める効果もあると考えられています。

マグネシウム補給におすすめの食材

大豆イメージ

マグネシウム補給食材としては「煎り大豆」もしくは「ナッツ類(ロースト/無塩)」がオススメ。中でもアーモンドは手軽に食べられますし、マグネシウム含有量が100gあたり310mgと多く、抗酸化作用や血管拡張・血流改善効果が期待できるビタミンEも非常に豊富に含まれているので、マグネシウムと相乗して冷え性の緩和に効果が期待できます。

共に働くビタミンB6はピスタチオ・クルミ・ピーナツなどに多く含まれていますので、関連する栄養素をまとめて摂取したい場合はミックスナッツにすると良いでしょう。カルシウム不足も気になる場合は小魚などを加えるとよりバランスが良くなります(※一日摂取量をまかなえるわけではありません)。


そのほかアマランサスや胡麻もマグネシウムを豊富に含みますので、ご飯にサプリ感覚で加えて炊くなどすると毎日の食事に取り入れややすいですし、納豆やのり・こんぶ・ワカメなどの海藻類にも多く含まれています。
普段食べているご飯(白米)やパンを玄米や全粒粉パンに、お塩を天然塩になど精製されていない原料のものに置き換えることでもある程度不足を緩和することが出来ます。