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ビタミンCは血管を若々しく保ち、末端冷え性の緩和に役立つ

ビタミンCとは

ビタミンCイメージ

ビタミン類の中でも最も知名度が高いと言っても過言ではないビタミンCは科学的にはL-アスコルビン酸と呼ばれる物質です。水溶性ビタミンの一つに分類されており、極端な摂取でなければ多少多く摂りすぎても尿として排出されます。

ビタミンCは野菜や果物などに多く含まれていますし人体への吸収率も高いのですが、熱や水に弱いこと・体内で保持できる時間が短いことに加え、ストレスや喫煙などによって大量に消費されることから不足しやすい栄養素の一つと考えられています。


1日推奨摂取量
成人男性:100mg
成人女性:100mg
(妊娠中は+10mg、授乳中は+45mg)
1日耐容上限量
成人男性:5000mg
成人女性:5000mg
※アメリカでは2000mgが1日の上限摂取量とされている。
不足による症状
肌荒れ・くすみ、老化(酸化)、免疫力低下、ストレス耐性低下、食欲不振、壊血病、骨粗鬆症リスクの増大
過剰摂取の症状
胸やけ・吐き気・下痢などの胃腸障害、頭痛、頻尿、発疹、腎臓結石のリスク増大

ビタミンCの代表的な働き

ビタミンCは多くの働きが確認されていますが、特に女性の場合は抗酸化作用やコラーゲン生成促進作用などの働きを持つビタミンとしてご存じの方も多いのではないかと思います。ビタミンCは1920年代に果汁から還元性のある抗壊血病因子として発見された成分で、発見以前である1700年代からビタミンCを豊富に含む柑橘類が壊血病予防に役立つということは知られていたようです。壊血病はコラーゲンの合成量が不足することで皮膚組織の結合が弱くなって出血が止まらなくなる病気です。

現代日本で生活習慣から壊血病を起こす方はほとんど居ませんが、現在でもコラーゲン生成が促されることで肌のハリを維持する働きが期待できることから美容面で支持されていますし、抗酸化作用によって加齢・ストレス・紫外線などで増加する活性酸素を撃退することで酸化による老化を予防する働きも認められていますから、若さや美しさを作るビタミンとして広く認知されています。

加えてメラニン色素を生成する「チロシナーゼ」という酵素の働きを阻害することでシミなどの色素沈着を防ぐ働きも報告されていますから、美白ケアとしてサプリメント・化粧品などにも幅広く活用されています。これらの働きからビタミンCを美肌ケア・アンチエイジングの基盤として意識している方も多いようです。

老化予防・美肌作り以外では白血球の強化・インターフェロン生成促進などによる「免疫力向上と、ストレス下で多く分泌される副腎皮質ホルモンの合成を促進させる「抗ストレス効果などがよく取り上げられています。その他にも肝臓の解毒機能を助ける・抗酸化作用によって酸化が原因で起こる様々な病気のリスクを低減させるなどの働きが期待されています。

ビタミンCと冷え性の関係

ビタミンCが直接冷え性と関係する働きとしては毛細血管の強化があります。ビタミンCが生成をサポートする「コラーゲン」というと美肌という印象が強いですがコラーゲンは細胞と細胞を結びつける働きがあり、血管、特に血管壁の厚さが極めて薄い毛細血管の強度や弾力を保持するためには十分なビタミンCを摂取してコラーゲン構造を強化することが必要と考えられています。

またビタミンCは抗酸化物質でもありますから、悪玉コレステロールなどが活性酸素によって酸化されて起こる“ドロドロ血液”を予防し、血液をサラサラに保つことで末端までのスムーズな血液循環をサポートする働きも期待できます。そのほかに鉄分、特に人体への吸収率の低い植物性鉄分(非ヘム鉄)の吸収を助けることで貧血の予防・改善にも役立ちます。抗酸化・毛細血管強化と合わせて血行不良の改善が期待でき、特に手や足の冷たさが気になる末端冷え性の改善に役立ってくれると考えられます。

ビタミンCはサプリメントとしても定番で、価格も安価なものが多く流通しています。しかしビタミン剤は極陰性で体を冷やす性質が非常に強いとも言われていますので、なるべく自然なものを食材から摂取するようにした方が安心ですね。

ビタミンCと合わせて摂りたい栄養素

ミカンイメージ

ビタミンP
ビタミンPは正確にはルチン・ヘスペリジン・ケルセチンの総称で、ビタミンではなくフラボノイド系ポリフェノールに分類されます。ビタミンと呼ばれているのはこれらがビタミンと同じような作用を持っているためですが、ビタミンのように欠乏症がないため「ビタミン様物質」と呼ぶのが正式です。

ビタミンPには様々な機能を持っていますが、その中にはビタミンCを安定化させることでビタミンCの吸収・利用をサポートする働きもあります。ビタミンCのサプリメントなどに添加されているのもこの働きがあるためですね。

ビタミンCの働きをサポートするだけではなく、ビタミンP自体も抗酸化作用がありますから相乗して活性酸素を除去する働きも期待できます。血管・血液を正常な状態に保ち、スムーズな血液循環を保持にもより高い効果が期待できます。

ピタミンPのうち、ルチンはお蕎麦・ケルセチンはタマネギなどに多く含まれています。勿論これらもビタミンCと組み合わせて摂れると良いのですが、同時摂取にオススメなのはペスペリジンヘスペリジンはみかんやオレンジなどの“白い筋”部分に多く含まれていますから、ミカンのスジを取らないで食べることを心がけるだけでビタミンCとピタミンPを一緒に摂取することが出来ます。


ビタミンE・ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンCが水溶性ビタミンであるのに対して、同じく抗酸化作用を持つビタミンでもビタミンEやビタミンAは脂溶性ビタミンになり、働く部分に異なりがあります。またビタミンCには活性酸素を無害化することで抗酸化力を失ったビタミンEを再び活性化させる働きがありますし、ビタミンAにはビタミンCとビタミンEの働く時間を長くする働きがあります。

ビタミンE、ビタミンC、ビタミンAはまとめて「ビタミンACE(エース)」と呼ばれており、同時に摂取することで抗酸化力アップ持続時間の延長などの相乗効果があるとされています。冷え性の改善はもちろんのこと、美肌・アンチエイジングなど美容面でも嬉しい働きが期待できます。
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ビタミンC補給におすすめの食材

~イメージ

100gあたりのビタミンC含有量が多いのは果物類であれば柿(70mg)・キウイ(69mg)・イチゴ(62mg)などが挙げられます。ビタミン=レモンというイメージがありますが、レモン果汁のみであれば50mgとされていますから、無理して摂取する必要はありません。ドレッシングやジュース作りに利用すると良いでしょう。

ミカンの場合は100gあたりのビタミンC含有量は32mgとさほど多くはありませんが、ビタミンP(ヘスペリジン)と同時に摂取することが出来ますの数値で見るよりも高い効果が期待できると言われています。


野菜類であれば赤ピーマンやゴーヤなどの含有量が高いですが、使いやすい食材としてはブロッコリーサツマイモ・ジャガイモなどのイモ類がオススメ。ブロッコリーは茹でた後でもビタミンCが残りやすいと言われていますし、ビタミンP(ケルセチン)も含まれています。また芋類のピタミンCはデンプンに守られているため調理過程で壊れにくいという特徴がありますので、生100gあたりの含有量で見た場合は少なく感じても加熱料理して食べる場合は効率の良い補給源となってくれます。

とは言えビタミンCだけが必要な栄養素というわけではありませんので、ビタミン類の豊富に含まれている緑黄色野菜や良質なタンパク質・ミネラルが摂取できる魚やナッツ類など、栄養価を考えながら様々な食材を取り入れていくことが冷え性の改善や健康維持に繋がります。