体を温める飲み物:白湯>>

冷えとり定番、白湯飲みの方法と効果

白湯が健康に良いとされる理由

白湯

日本でも昔から白湯(湯冷まし)を飲む習慣はありましたが、近年白湯が健康に良い・デトックスに良いとして取り上げられているのはインド伝統医学「アーユルヴェーダ」の考え方に由来している部分が多くあるようです。

アーユルヴェーダでは体に働きけけるエネルギーは水・火・風の3つの要素(トリ・ドーシャ)から成り立っていると考えられており、白湯はこの3つの要素を全て含む飲み物として体のバランスを整えることに優れているとされています。

アーユルヴェーダの考え方に基づくと、白湯は水を火にかけ、沸騰させることで空気(風)を混ぜ込む必要があります。そのため電気ポットなどではなく、やかんや鍋などを使って直接火にかけて白湯を作るのが好ましいとも言われています。

古くからあるアーユルヴェーダの考え方は発生当初の衛生状態なども関係していると考えられます。直接火にかけなくても電気で良い・長時間沸騰させ続ける必要はないなど白湯の作り方には諸説ありますが、温かい飲み物を摂取して内臓から温めることや、お茶などのように有用とされていても摂りすぎると害となる成分を含んでいないことなどから、白湯(人肌よりも少し熱い湯冷まし)は体に優しく安全性の高い飲み物であることは間違いないでしょう。

白湯が体を温めるのに良い理由

①内蔵を直接温める

白湯に限らず温かい飲み物を摂取することは、その飲み物の行き着く先である胃や腸を温めることになり、文字通り「お腹の中から温まる」状態を作り出すことができます。

温度だけで考えると温かい飲み物なら良いのですが、カフェインやその他の成分が多く含まれているお茶やコーヒーの場合は、程度に差はあれどその成分が体に影響を及ぼす可能性が高いです。
しかし白湯の場合は若干のミネラルなどを含んでいてもメインは水分であり、その効果は温めるという点に集中しています。温めるのは白湯の摂取という外的要因ですが、温めることによって自分の体の機能や治癒力を活性化するように促す「きっかけ」になるというポジションと言えるでしょう。

②血液循環がよくなる

白湯をゆっくりと飲むことで胃腸が温められると、体全体の機能が活発化し全身の血液循環が向上します。内臓温度の上昇や血液循環の活発化によって代謝の促進・免疫力の向上などが期待出来ます。冷え性の改善だけではなく、脂肪燃焼によるダイエット効果があるという話もこれに由来します。

白湯の飲みごろ温度(50℃前後)は血液循環を促すのに最適の温度ともされています。

③余分な水分の排泄を促す

白湯を飲んで内臓が温められることで内臓機能が向上し、消化促進や老廃物を排出する働きの活発化が期待出来ます。また血液やリンパの循環も促進され、体内で循環が滞っていた余分な水分の排泄も促されると考えられています。

結果としてデトックス効果やむくみ解消効果が期待できますし、定期的に白湯を飲むことで水分の摂取量が少ないために起こるむくみの予防にもなります。水分代謝の向上によりむくみが解消されると、余分な水分に奪われていた分の熱が体に回るようになるため冷えの解消にも繋がります。

白湯のメリット諸説

そのほか白湯のメリットと言われているものを紹介します。

①内蔵機能向上と水分補給により便秘の解消にも役立つ。

②毒素の排泄を促すことで、ニキビや老化を防ぎ肌の弾力性を回復する。

③白湯は筋肉の痙攣を緩和する働きがあり、月経痛の緩和に役立つ。

④血行促進と髪・頭皮の水分維持により、髪の成長促進、フケ・乾燥予防に役立つ。

参照:12 Unexpected Benefits of Drinking Hot Water

白湯の作り方

白湯イメージ

①やかんに水を注ぐ
②蓋をして火にかける
③沸騰したら蓋を外す
④数分ボコボコと沸騰させる
⑤火を切り50℃前後まで自然に冷ます


貧血気味の方は鉄瓶(鉄製のやかん)で白湯を作るようにすると鉄分が白湯に溶け出るので良いとされています。白湯の味がまろやかになるという方もいます。

アーユルヴェーダ的な考え方でいくと火にかけ沸騰させることが重要なポイントになりますが、そこまでこだわりのない方・「気」というようなものを信じていない方の場合は電気ケトルや ウォーターサーバーのお湯を利用しても問題ありません。
やかんなどで沸騰させて作る場合は、残りを魔法瓶などで保温しておくと便利です。

白湯の飲み方と注意点

白湯の飲み方

一日の白湯摂取量は800ml程度が目安とされています。一度に大量に飲むのではなく、コップ一杯(150~200ml)程度を噛むようにしてゆっくりと飲むようにしてください。

白湯を摂取するのに適しているタイミングの第一は朝(寝起きすぐ)です。朝食を摂る場合は白湯を飲んでから20~30分時間を空けると良いようです。昼・夕食時は食事と同時に摂取するか、食後30分程度時間を空けた後に飲むと良いでしょう。入浴前に白湯を摂取すると体が早く温まります。

効果を早く出したい時や体調が悪いときは食間、30分程度おきに1~2口程度白湯を飲むのも良いですが、飲み過ぎないように注意してください。

白湯飲みの注意事項

  • 白湯の飲みすぎは体に必要なミネラルまで排泄させてしまう可能性があります。
  • 白湯を大量に摂取した場合、水分過多となりむくみを生じる恐れがあります。
  • 食前の白湯摂取は胃液を薄め消化能力を低下させる場合があります。