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冷えとり入浴の基本! 半身浴をするメリット

半身浴を行うメリット

お風呂イメージ

冷えの緩和・冷え性の改善で必ずと言っても良いほど登場するのが「お風呂」。温かいお風呂に入ると体が暖かくなり強張りがとれて気持ちが良いというのもありますが、冷え切った体を直接湯温で温めるということだけではなく、収縮した血管を拡張させて血行を良くすることで冷え体質の改善にも役立ちます。

入浴して体がホカホカするのは一時的なものと思われがちですが、正しい入浴を続けることで体質改善も期待できるのです。

体への負担が少ない

あまり意識することはありませんが、水の中にいると「水圧」という圧力がかかった状態になります。肩までお湯に浸かった場合の水圧はおよそ500kg~550kgと言われており、水の中で寸法を図るとウエストは3~5cm、バストは2cmほど縮むことからも結構な水圧が掛かっていることがわかります。

体が細くなるだけの圧力が外側からかかっていますので、血管も収縮されて体内の血液が心臓に向けて一気に流れ込むこととなり、心臓に負担がかかり動悸がします。また腹部が圧迫されることにより横隔膜が押し上げられ、肺の容量が少なくなってしまうため息苦しさや軽い酸欠状態に陥ることもあります。これらの理由から全身浴は高齢者や心臓が弱い方などには危険がある入浴法だと言われていますし、健康な方であっても体に負担はかかっていると言えます。

半身浴の場合は内臓、特に肺や心臓などは水圧を受けないため直接的な負担を減らせるとともに、重力によって血液が溜まりやすい下半身に水圧をかけることで血液の循環を促すことができます(寝そべっているのと同じような状態になると言われています)。

深部までしっかり温まる

寒い冬や夏のエアコン冷えで体の芯まで冷え切っている時は熱いお湯に入りたい気分になりますが、「しっかり体の芯まで温めるなら、ぬるめのお湯」と言われますよね?

熱いお湯に浸るとすぐにかっと温かくなったように感じますが、ここで温まっているのは体の表面。熱いお湯に入ると皮膚の表面にバリアが作られて中まで熱を入れないようにしてしまうという説もあり、我慢比べのように時間をかけて熱いお湯に浸かっていても倒れる危険性が高まるだけで、芯から温まるかは微妙なところです。
体の表面だけ温まった状態だと湯冷めが早いので、冷え性には逆効果となってしまいます。

半身浴の場合は直接体の表面を温める働きもありますが、メインとなるのは温められた血液が循環し体のすみずみまで行き渡るようになること。お湯で表面が温まるのではなく、温かい血液が循環することが「体の芯から温まる」という状態を作ってくれるのです。

副交感神経を活性化し、自律神経のバランスを整える

リラックスイメージ

冷えが起こる原因の1つに自律神経の乱れ(交感神経・副交感神経の切り替えが上手くいかないこと)が挙げられます。自律神経は私たちの意思とは関係なく働く生命維持に必要な様々な機能の調整をしている神経で、血管の収縮・拡張の切り替えもその働きに含まれています。

血管の収縮は交感神経が、拡張は副交感神経が司っており、ぬるめのお湯には副交感神経を活発化させことで血行を促進する働きが期待出来ます。逆に42℃以上の熱いお湯は交感神経を活発化させます。


自律神経の乱れとは言っても、そのほとんどが昼間に仕事などで活発化した交感神経がそのまま活動していて、帰宅後もリラックスを司る副交感神経にバトンタッチしてくれない状態です。ダイエット目的ならば熱いお湯に浸かるのも良いですが、自律神経のバランスを整える・冷え性を改善するという目的で見ると熱いお湯は逆効果になってしまいます。温いお湯で副交感神経を活発化させることで血行や自律神経のバランスの乱れを改善するのが効果的です。