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手軽にマグネシウム温泉(正苦味泉)を再現、にがり風呂

にがりとは

にがり

お豆腐を固めるときに使うことがよく知られている“にがり”。天然塩を作る場合には海水を煮詰めるなどして水分を飛ばしていきますが、その後に沈殿するもの=塩とその上澄み=にがりに分離します。にがりは塩を作る際の副産物という位置づけになりますが、海水に含まれており塩には含まれていない余剰ミネラルを多く含む粉末・液体とも言えます。

またにがりは漢字で「苦汁」もしくは滷汁と書かれるように、主成分とも言えるマグネシウムイオンによる強い苦味が特徴です。


にがりの基本成分・作用

にがりの主成分はマグネシウムで、その他にカリウム・ナトリウム・リン・セレン・ケイ素・ヨウ素など様々なの海洋ミネラルが含まれていると言われています(メーカ等により成分・比率は異なります)。そのため適量のにがりを飲み物・料理などに加えて摂取することで不足しているミネラル、特にマグネシウムを補給して健康維持に役立つと考えられています。

にがりの主成分であるマグネシウムは約300種類の酵素の働きを助ける“補酵素”としてエネルギー代謝や血流・体温調節など私達の体を動かす(維持する)ための様々な機能に関わっています。(⇒マグネシウムについてはこちら)

以前健康番組で「にがりはダイエットに良い(痩せる)」と取り上げられたこともあります。しかしダイエット効果にについての科学的根拠がないこと・にがりを過剰摂取した結果、下痢・ミネラルの吸収阻害・高マグネシウム血症などを起こす人が増えて問題になった過去や、にがりは健康に良くないという説を唱える方もいることから、現在はあまり利用されていません。
腎臓等に問題がない場合は低濃度に希釈したものや食品添加物として使われている程度の使用であればにがりに毒性は無いとされています。にがりを使った豆腐や、にがり分を少しでも含む粗塩などの摂取まで心配する必要はありません。

▽ビフィズス菌・乳酸菌・オリゴ糖が1に▽

乳酸菌革命

にがり風呂が冷え解消に役立つ理由

ヨーロッパでは古くから海水・海藻等を利用したタラソテラピーが行われています。ちなみに西洋では天然にがりは「母なる液(ラ・メール)」「母なる液(マザーリカー)」などと呼ばれ親しまれているそうです。

にがりをお風呂に入れることで、成分的にはさら湯から「ミネラル鉱泉」に近い状態になります。にがり入浴はタラソセラピーの中でも「バルネオテラピー」と呼ばれる海水入浴療法や、近年話題の入浴剤「エプソムソルト」に近い効果が期待できる入浴法として、冷え性の改善のほか、美肌やダイエットなど美容面からも注目されています。


にがりの主成分であるマグネシウムは温浴効果を高め発汗を促す、血行を促進するなどの働きがあり体を芯から温めると考えられています。加えてマグネシウムや他のミネラルが皮膚表面を膜のように覆うことで熱の放出を防ぎ、入浴後の保温効果を高める=湯冷めしにくくなる働きもあると言われています。

また肌から直接マグネシウムを吸収することで、新陳代謝を高める働きや老廃物の排泄を促進する働きなどにも役立つと考えられています。入浴することによって直接体を温めるだけではなく、デトックス・代謝向上からも冷え性の緩和や改善が期待できます。にがり入浴がダイエットに役立つと言われるのもこれらの働きによるものです。

にがり入浴やマグネシウム系の入浴剤を利用すると、いつもより発汗が多いと感じる方が多くいらっしゃいます。冷え性改善においては発汗を促すことで“衰えた汗腺(休眠汗腺)の機能を取り戻す”ことも重要。きちんと発汗できる場合はほとんど目に見えない水蒸気のような汗で細かく体温調節をし、それでも間に合わない時に流れるような汗を書きます。一方汗腺が弱いと限界まで体温が上昇してから、一気にベトベトの汗を大量にかくことになるため体温調節が大雑把で自律神経の疲弊や冷えの悪化を起こしてしまいます。

にがり風呂の方法・作り方

にがりを入浴剤代わりに利用する場合は、浴槽一杯の水(約180~200リットル)に対しにがり5~10mlが目安とされています。敏感肌の方などの場合は刺激を感じる場合もあるので、少なめの5mlから初めてみると良いでしょう。

お湯の温度は40℃以下、入浴時間は20分程度が目安です。ミネラルが肌に浸透しきると飽和状態となり、長く入浴していたとしても効果は一定のままです。無理をして長時間頑張る必要はありませんので、のぼせる前にお風呂から上がって手早く水気を拭き取るようにしてください。

  • 入浴前にコップ一杯の水を飲んでから入浴しましょう。
  • にがりに含まれる成分が浴槽を傷ませる可能性があります。
    入浴後はお湯を抜いて水で洗い流し、追い焚き等は避けましょう。

こんな嬉しいオマケも

【保湿・美肌維持に】

にがりに含まれているマグネシウムは老廃物を吸着する水分を吸着するという性質もあります。そのためにがり入浴は肌の表面を綺麗な状態にすることによるくすみ改善保水能力を高めることで肌の潤いを守る(保湿)効果があるとされています。もちろん体を温めて血流を促す・新陳代謝を高めることからも肌のトーンアップやハリ・ツヤの回復が期待できます。シミの緩和にも良いと言われています。

またにがり入浴はアトピー性皮膚炎の緩和にも効果が期待されています。アトピー性皮膚炎の方は血中ミネラル濃度が正常であっても皮膚や毛髪に使われるミネラルが不足しがちな傾向にあるという説があります。ミネラル不足によって肌の潤いを保つためセラミドの生成が低下し、肌がより乾燥しやすくることで症状が悪化すると考えられています。にがりを入浴剤として利用すると、マグネシウムによる保湿効果に加え外側からミネラルを補給する形になるためアトピー性皮膚炎の症状緩和に繋がるのではないかと考えられています。

【白髪・抜け毛予防に】

マグネシウムはストレス緩和に役立つほか、白髪の原因1つである過酸化水素の分解を促すセレンや鉄分、髪を黒くするメラニンの生成を助ける亜鉛やカルシウムなどもにがりには含まれています。
またマグネシウムの保水機能から髪・頭皮を乾燥から守る働きもあります。頭皮の乾燥を防ぎ、抗酸化を助けるミネラルを浸透させることで髪の艶維持に役立ちますし、老廃物を綺麗にする働きと合わせて抜け毛予防も期待できるでしょう。

こちらの場合はにがり風呂に入るというよりも、すすぎ湯として使う・にがりを水で希釈してスプレーするなど直接髪に付けるような利用法を取った方が良いでしょう。