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サッパリ感とニキビ予防・美肌作りに重曹風呂

重曹とは

重曹

体にも環境にも優しい洗浄料として、お鍋の焦げ落としやコンロの油汚れなどのお掃除に、生ごみなどの脱臭剤代わりにとハウスキーピングで取り入れられることの多い重曹。

呼び名が違いますがふわふわ・サクサクとした食感を出すために利用されるベーキングパウダーも同じく重曹で出来ていますし、炭酸飲料を作る時など食品加工においても幅広く存在されています。そのほか胃酸過多に対して制酸剤や便秘治療の座薬など医薬品原料としても利用されています。

重曹の基本成分・作用

重曹は正式には「炭酸水素ナトリウム」と言い、また重炭酸ナトリウム・重炭酸ソーダなどとも呼ばれています。重曹という呼び名もこの略語ですね。加熱することで炭酸ナトリウム・二酸化炭素・水の3つに分解される性質があり、常温・常圧でも少しずつ分解していくそうです。

この加熱により分解し二酸化炭素を発生する性質から、生地に重曹(ペーキングパウダー)を加えて焼くことで空気穴が発生し、別の食感を生み出すことが出来ます。中にパウダーが入っていてパチパチ弾けるようなキャンディーなどのお菓子にも重曹が利用されているようですし、炭酸水素ナトリウムとクエン酸を混ぜたものは炭酸飲料を作る材料としても広く使用されています。

炭酸ガスを発生させる以外に、重曹には研磨効果・鹸化(乳化)効果があることが知られています。近年は水質汚染で問題とされるBOD・COD値、環境ホルモンの心配がないことから安心できる洗剤として注目されていますから、炭酸原料としてよりもこちらのほうが有名かもしれません。アルカリ性であるため酸性の臭いに対する脱臭効果があり、肉や魚の匂い消しの他、靴箱やゴミ箱の消臭剤としても利用されています。

重曹風呂に期待される効果

【体臭・加齢臭予防に】

重曹風呂は弱アルカリ性の性質を持ちます。
体臭は汗や皮脂などの分泌物が皮膚の常在菌に分解されたり酸化することが原因とされています。ちなみに加齢臭も皮脂腺から分泌されるパルミトレイン酸などが酸化することで発生すると言われています。

そのため重曹のアルカリが体臭の原因となる酸を中和することで体臭を抑えてくれます。加えて重曹には殺菌作用も有りますから、ニオイ物質を生成する雑菌の皮膚繁殖を抑制することでも体臭予防に役立つと考えられています。


【美肌・ニキビ改善に】

重曹温泉(炭酸水素塩泉)は「美肌の湯」として知られています。これは弱アルカリ性の重曹に体・皮膚に付着している余分な皮脂や角質などを乳化して浮かせる働きがあるため。毛穴に詰まった汚れなどを洗い流すことでニキビ予防・改善効果が期待できますし、穏やかなピーリング効果で余分な角質を落とすことから肌がツルツル・すべすべになります。毛穴の黒ずみが気になる方も効果が期待できますよ。

この乳化作用で皮脂などの汚れを落とすことに加えて血行促進効果も有りますので、即効性は期待出来ませんが続けることで肌の新陳代謝向上などにも効果が期待されています。ただし重曹には研磨作用がありますのでゴシゴシと肌を擦ってしまうと皮膚を傷める可能性がありますので注意が必要です。

お風呂掃除時間を短縮】

重曹と言えばお掃除を助けてくれる心強い存在でもあります。重曹風呂=重曹水ですから、お風呂に入っている時間は人の皮脂・毛穴汚れだけではなく浴槽の汚れも乳化させて落としやすい状態にしてくれているということになります。
お風呂のお湯を抜いた後に改めて洗浄剤を付ける必要がないので、お風呂掃除の時間が短縮されますし、排水口のニオイ対策にもなります。

冷え性の改善と注意点

重曹風呂は血行促進作用があり温浴効果を高める・、体を心から温める働きがあるとされています。しかし皮脂などを乳化させて洗い流してしまう働きがあることから、入浴後に皮膚からの水分蒸発を高めてしまうという側面も有ります。

温泉でも重曹泉(炭酸水素塩泉)は「清涼の湯」とも呼ばれており、お風呂あがりに熱が冷めず汗が流れ続けることが少ないとされています。夏場の入浴などには爽快感があって良いのですが、冷え性の方の場合は“せっかく温まったのに湯冷めしてしまう”という可能性もあります。湯冷めしてしまっては元も子もありませんから、湯上がりにはシャワーで体を流し、早めに保湿・保温できるように服を着るなどの対策をしたほうが良いでしょう。

こうした重曹の性質から典型的な寒がり型の冷え性の方よりも、暑がり型の冷え性の方・ほてりを起こしやすい方に適していると考えられます。

重曹風呂の方法・作り方

重曹を入浴剤として利用する場合、一般的な浴槽(200L程度)であれば大さじ2~3杯を混ぜるのが適量とされています。量が多すぎるとアルカリ性が高くなりすぎて肌荒れを起こす危険性がありますので注意しましょう。また敏感肌の方の方の場合はこの量でも刺激となって肌荒れや炎症を起こしてしまう可能性がありますので、少量から入れはじめ様子を見て量を増やすようにしてください。アトピー性皮膚炎や皮膚炎性のある方は医師に相談しましょう。

重曹を浴槽に入れたらよく混ぜ、入浴します。研磨作用で肌を傷つけてしまう可能性がありますので、お湯の中で肌を強く擦ったり、重曹を石鹸代わりに利用するのは避けましょう。お湯から上がるときはシャワーで肌表面を洗い流すようにし、乾燥を防ぐようにしっかりと保湿をするようにしてください。

クエン酸と組み合わせて炭酸風呂にすると効果アップ?!

【炭酸風呂の作り方】

炭酸は重曹2:クエン酸1の割合で混ぜることで作ることが出来ます。一般的な浴槽であれば重曹大さじ2:クエン酸:大さじ1を上限分量と考えておくと無難です。炭酸風呂とは関係ありませんが、合わせ粗塩を大さじ1~2加えるとより血行促進・冷え性改善に効果が期待できます。

お湯に溶いた瞬間から炭酸ガスが抜けていきますので、浴槽には浸かる直前に投入すると良いでしょう。お湯の温度が高いほど炭酸ガスの抜けも早くなると言われていますので、38~40℃以下程度のややぬるく感じるくらいの湯音で半身浴をするようにすると効果的です。手先足先の冷えが気になる方は部分浴用として活用しても良いですね。

【炭酸風呂に期待される効果】

重曹そのものの皮脂汚れを浮かせる働き・ピーリング効果、クエン酸による抗炎症作用等が期待できます。

加えて炭酸風呂の場合は炭酸ガスが肌を刺激することで毛細血管を拡張させる働きがあるため、血行促進・体を隅々まで温める働きがアップすると考えられます。また炭酸水は通常の水よりも肌への浸透率が高いとされていますので、重曹風呂よりは乾燥肌が悪化する心配が低いと言われています。風呂あがりに保湿はしたほうが良いですが、乾燥肌の方の場合は炭酸風呂にした方が負担は少ないと考えられます。