冷えとり入浴にプラス:塩>>

身近でプチプラなお塩のお風呂は、冷えとり入浴の定番

塩とは

塩イメージ

私達が「塩」と読んでいるものは岩塩もしくは海水を乾燥させることで得られる塩化ナトリウム(塩素とナトリウムの化合物)が主成分の物質。島国である日本ではさほど塩の重要性を感じることはありませんが、古い時代、特に内陸で岩塩などの産生も少ない地域ではお金と同等の価値がある存在とされていたのだとか。

調味料としての使用は控える傾向が強い一方、入浴剤や洗顔料など化粧品用としては老若問わず安定した人気を誇る存在でもあります。身近なものですから、やってみようと思った時に探さなくても手に入る・おうちにあるものを使えるのも人気の理由かも知れません。

塩の基本作用

減塩思考が定着している現代では塩・ナトリウムに対してあまり良いイメージを持っていない方もいらっしゃるかもしれませんが、塩に含まれているナトリウムは必須ミネラルであり生命維持になくてはならない存在です。 勿論過剰摂取は高血圧や腎臓・心臓病・脳梗塞などの原因となりますから厳禁ですが、極端な塩分制限で昏睡を起こしたり死亡してしまった方もいるのだとか。

塩分が必要な例として最もわかりやすいのは「熱中症」で、夏場に販売される飲み物もソルト○○味が多いのもこのため。人間の体は血中ナトリウム濃度を一定に保つように出来ており、汗などによってナトリウムが減少しているところに水分だけを補給すると血液バランスを保持するため体が水分吸収を拒絶してしまいます。そのため塩と水分を合わせて補給するように奨められているのです。逆にナトリウム濃度が高過ぎると中和するために水を必要として「むくみを引き起こします。

塩が冷え解消に役立つ理由

バスソルトイメージ

温泉でお湯が無色透明・味がちょっとしょっぱい泉質のものがあります。これは「塩化物泉(食塩泉)」と呼ばれている温泉で、体を温める働きや保温効果が高いことから“熱の湯”や“温もりの湯”と呼ばれてきました。

昔から海水を沸かしたお湯に入る「塩湯治」と呼ばれる方法がありました。塩(特に食用塩)は温泉や海水ほど様々な成分を含んでいるわけではありませんが、塩入浴も食塩泉に近い効果を得られると考えられています。


塩は皮脂と結びつくことで薄い膜のように皮膚をコーティングして体温を閉じ込める=保温効果を高める働きもあります。保温効果を保持するために入浴後の上がり湯・シャワーはしないようにするのが塩入浴を活かすポイントと言われています。

塩風呂が温まると言われている理由もこの“膜”の働きによるところが大きいと考えられます。出た後に湯冷めしにくいというだけではなく、入浴中もこの膜が体を覆うことで熱を逃がしにくくなり、体の芯まで温める働きが期待できます。加えて塩には発汗を促す作用がありますので、保温作用と相乗して血行促進にも役立つと言われています。
定期的に発汗を促すことで汗腺の機能を活性化させることも体温調節機能の正常化に繋がりますから、こちらからも冷え性の改善が期待できるでしょう。

塩にはナトリウム以外にもマグネシウム・カリウムなどのミネラルが含まれているためそれらの効果をプラスして得ることが出来るとする説もあります。塩の種類にもよりますが基本的に塩として商品化されている時点で成分はかなり絞られている(含有はごく微量)と考えられますから、ナトリウム以外の効果を期待する場合はニガリなど別のものを利用したほうが確実でしょう。

塩風呂の方法・作り方

お塩はバスソルトではなくても精製されていない天然塩(あら塩・岩塩)であれば入浴剤として利用できます。むしろバスソルトとして安価で販売されているものの中には精製塩+人工香料などを使ったものも多いので、自分で天然塩を購入して精油などと混ぜてバスソルトを作ってしまったほうが安全だしコスパも良いと言う方もいらっしゃいます。

一回に1kg入れて入浴するという芸能人の方などもいらっしゃいますが、合わない可能性もありますので一般的な浴槽に対してはじめは30~50g程度の量が好ましいと言われています。慣れてくれば量は増やしていって構いませんし、そこまで厳密に量る必要もありませんので概ね“一回に一握りの塩”を入れて入浴する方が多いようです。入浴法は半身浴もしくは低音長時間浴など、温めでの湯温でじっくりと入れる方法がオススメです。
毎日塩風呂に入るよりも、3日に1度くらいのペースの方が効果的とされています。

  • 傷がある場合はしみるので、治癒後に塩入浴をしてください。
  • 入浴前にコップ一杯の水を飲んでから入浴しましょう。
  • 浴槽・配管の素材によっては塩を入れることで傷めてしまう可能性があります。確認の上利用するようにし、その日のうちにお湯を捨て瑠葉にしましょう。追い焚きも避けてください。

こんな嬉しいオマケも

【デトックス・体臭予防に】

塩をお湯に入れて入浴すると発汗作用があるとされていますが、加えて塩分が毛穴から浸透することで汗と一緒に毛穴に詰まっている皮脂・汚れの排出を促すと考えられています。汗を出すこと・毛穴の詰まりを綺麗にすることで皮脂腺からの老廃物・有害物質排出が活発に行われるようになり、デトックス効果が期待できます。加えて体を温めて代謝アップも期待できることから、塩入浴はダイエットにも活用されています。

また塩には殺菌・抗菌作用があることが知られています。このため体臭・加齢臭・ワキガなどの抑制にも役立つと考えられています。汗腺を活発化させ汗をかきやすくなることから「汗臭くなるのでは?」と思いますが、夏場などに体温調節のために出る汗はほぼ水分の汗でさほど臭いはありません。臭いがきつい汗は代謝が低かったり普段汗をかかない人に多いとされています。

【美肌・ニキビ予防に

塩の抗菌・殺菌作用や毛穴汚れ除去などの働きはニキビ予防にも役立ってくれます。毛穴を綺麗にした後は引き締め効果も期待できるので毛穴の開き・黒ずみがある方にも適していますし、血行促進作用から肌の新陳代謝向上・くすみの改善にも良いと言われています。

肌を清浄に保つことからアトピー性皮膚炎の緩和に良いとする説もありますが、皮膚を刺激する可能性があるので敏感肌の方や炎症が重い方は注意が必要です。