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腸内フローラと冷え性・代謝低下の関係

腸内フローラとは

腸内フローライメージ

ここ何年か健康面でも美容面でも取り上げられることの多い“腸内フローラ”。簡単に言うと人間の腸内に住んでいる様々な細菌、人に有用な働きをするもの・有害な働きをするものなど全ての腸内細菌層のことを指す言葉です。腸内環境とも呼ばれますね。

研究では太りやすさ・老化のスピート・免疫力をはじめ性格まで影響を及ぼす可能性も示唆されており、私たち人間の体(もしかすると心も)を形成する非常に重要な存在であると考えられています。


腸と言うと便秘や下痢など“お腹の調子”と言われる部分のみが注目されており、例えばダイエットにおいても「便秘だとダイエットの成果が出にくい」「便秘だと代謝が低下する」と言われていたことをご存知の方も多いのではないでしょうか?
もちろん便秘(腸の内容物)によってお腹が凹まない・老廃物が排泄されずに吸収や蓄積されやすくなる、ということもありますが、現在は便秘だけが原因なのではなく、腸内細菌のバランスなど腸内フローラの状態こそが代謝や脂肪蓄積をはじめとして、人の健康に大きく関係していると考えられています。

腸内フローラと冷え性の関係

善玉菌を増やすということが取り上げられているのは、腸内で善玉菌がビタミン類を合成する・免疫機能を高めるなど私たちの体にとって役立つ働きをしてくれるためです。逆に腸内細菌によっては人体にとって有害となる物質を発生させるものもあります。悪玉菌と呼ばれる所以ですね。腸内フローラの中で有害な働きをする腸内細菌(悪玉菌)が多い場合には、悪玉菌の代謝によって有害物質が多く発生しているということになります。

では腸内で発生した有害な物質がどうなるのかというと、大半が腸壁から吸収されて血液に溶け込みます。そして汚染された血液は通常通り全身を循環しようとしますが、有害物質・毒素を含んだ血液は通称“ドロドロ血液”と呼ばれる、粘度が高く流れにくい状態になると考えられます。そのため血液循環の低下=血行不良を起こします。

また血液が届いた先でも問題が起こります。血液と一緒に毒素が体を巡ってしまうことによって筋肉や内蔵機能が低下してしまうためです。筋肉や内蔵の機能低下は代謝の低下を意味し熱生産量が減少しますし、筋肉は血液を動かすためのポンプとしても働いていますからますます血液循環も低下します。血液循環が悪くなるほど筋肉や内蔵の機能が落ち…という悪循環を起こすことになります。

感覚としては頑張って働いているところに、食事として腐りかけのお弁当やカビの生えたパンを出されるようなものでしょう。仕事を続ける体力も出ませんし、下手をすると食中毒になりますよね。その状態で仕事を続けても疲弊し、作業進行や効率が低下してしまいます。たまに美味しい差し入れやご褒美を貰って一時的に活性化しても、仕事をする環境自体が改善されないと“一時的”で終わってしまいますよね。

腸内環境悪化による冷え予防・緩和策(内側)

腸内フローラの状態が悪い以外にも、冷えの原因として腸内環境以外にも自膣神経の乱れ・体温調節機能の低下など他の要因もあります。また腸が冷えている場合は腸内細菌の活動が低下するという報告もなされています。そのためどちらか一方のみの改善ではなく、お腹にも冷えにも良い食材・習慣を取り入れることが必要です。

内側からの腸内フローラ改善・冷え対策

ヨーグルトイメージ

内側からの腸内環境改善や冷え性緩和方法としては、直接的に体(お腹)を温める食べ物・飲み物を摂取すること、腸内フローラの改善に役立つとされる乳酸菌・オリゴ糖・水溶性食物繊維などを摂取することの大きく2つに分かれます。
それに加えて腸内腐敗物・悪玉菌により発生する毒素を抑制したり排泄を促す働きのあるものを取り入れるとより効果的でしょう。

【腸内環境改善に役立つもの】
腸内で善玉菌のサポートとして働くビフィズス菌や乳酸菌、善玉菌のエサとなるオリゴ糖や水溶性食物繊維を豊富に含む食材が良いでしょう。善玉菌の補給としてはヨーグルトや納豆などの発酵食品の摂取が推奨されていますし、市販されている乳酸菌飲料・オリゴ糖を活用しても良いでしょう。

水溶性食物繊維の補給源としては大麦やゴボウのほか、オクラやなめこなどのヌルヌル系食材が適しています。一つのものから食物繊維をまとめて摂取するのではなく、多くの品目から様々な種類の食物繊維を摂取した方が腸内フローラ改善に良いとされています。

【血行促進・体を温めるもの】
抗酸化物質であるポリフェノール、サポニンやビタミンE、βカロテンなどを含む食材を摂取することでドロドロ血液の改善が期待できます。ビタミンEやビタミンP(ヘスペリジンやケルセチンなど)や 血管を拡張するなど直接的な血流改善効果が期待できる成分を含むものもオススメです。スープや炒め物など温かい状態で食べるように調理すれば直接的に体を温めることにもなり、相乗効果が期待できるでしょう。

生姜や胡椒などのスパイスやハーブにも血流改善・体を温める働きに優れたものが多くあります。料理に振りかけるだけのスパイス、水分補給として摂れるハーブティーなど手軽な形で摂取できるものを上手く取り入れてみてください。

外側からの腸内フローラ改善・冷え対策

リラックスタイムイメージ

食べ物や飲み物などで内側からケアする以外に、入浴や運動など生活習慣に気をつけることでも冷え改善に働きかけることができます。

直接的に腸内フローラを整える(善玉菌を活性化する)ものではありませんが、自律神経が整ったり精神状態が安定することで体の働きも安定してきますから、冷え性の改善や腸内フローラ改善に役立ってくれるでしょう。

【入浴・睡眠】
入浴は外側から直接的に体を温めることができますし、ゆっくりと行う半身浴はリラックスして副交感神経を活性化させる・温冷交代浴は自律神経の切り替えトレーニングを行うなど、根本改善に繋がる効果も期待出来ます。お風呂に入って体を温めたりリラックスすることで良質の睡眠を得やすくなりますし、きちんと睡眠をとって体内時計を整えることで自律神経の乱れを防いでくれます。

【有酸素運動】
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は自律神経の働きを整えてくれます。便秘の解消にも適度な運動は欠かせないと言われていますし、筋力不足によって起こる内蔵下垂や血行不良の緩和にも役立ちます。また筋肉の強張り・こりも血行の妨げになりますから、仕事・勉強の間に簡単なストレッチを取り入れるだけでも血流改善効果が期待出来ます。

【そのほか】
リラックス効果や消化機能サポート効果などが期待できるアロマ(精油による芳香浴)、マッサージやツボ押しによってむくみをとったり血流を促す、冷えとり靴下やレッグウォーマーで外側からの冷えを防ぐなど、その他にも様々な冷えの改善方法が提唱されています。
自分なりのストレス解消法を見つけるのも精神面だけではなく冷え性改善に役立ちます。